現在、派遣保育士として働いている保育士さん。
“3年契約”という縛りで、その後どうするのか悩んでいませんか?
「他の園に移動するか、今の園に留まるか。」
私もその選択を迫られたとき、迷いながらも”正規保育士になる”道を選びました。
それは、自分の中で芽生えた「もっと本気で保育がしたい!」という気持ちに気付いたからです。
今回は、私が2年半の派遣保育士を経て、正規保育士になった理由をお話させてください。
派遣保育士として感じていた”物足りなさ”

次女が入園したタイミングで「派遣保育士」として復職した私。
復職の第一歩として「派遣保育士」を選んだ理由はこちらから。
▶保育士資格を持つママへ。派遣から始めた“私の保育復職ストーリー”
最初に選んだ園は、まさかのブラック園でした。
だから、しばらく尻込みしていたんです。でも「やっぱり保育がしたい」と思い、もう一度挑戦してみることにしました。
そして出会ったのが今の園。
時間的にも、子育てしながらでも働きやすい職場でした。また、派遣保育士という立場で責任の低さもあり、安心して働けていたのも事実です。
しかし、派遣保育士として働き2年が経った頃———なんとなく物足りなさを感じ始めていたんです。
派遣を始めたのは30代後半。
もちろん年下の正規保育士もたくさんいるし、新卒採用で入ってくるピチピチの保育士もいる。(ピチピチが死語なのは、百も承知(笑))
その子たちに、アドバイスしてあげたいこともあるけれど、立場上言いにくい。
独身のころに幼稚園で一人担任をしていたことのある私は、自分の中でも「やりたい保育」がやっぱりあって。
やってはいけない雰囲気の園じゃなかったし、リーダー週も任されていたから、やろうと思えばできたんです。
でもやっぱり、派遣っていう立場だから、遠慮しちゃってたんですよね。
私の性格的にも、「子どもたちともっと向き合いたい。」という気持ちが強くなりました。
派遣保育士では不十分だと感じる「”やりがい”をもっと感じたい」と思うようになったのです。
正規保育士になる決意。その裏にあった不安と向き合った時間

それでもやっぱり、正直不安はありました。
主人の実家は県外、私の実家も車で1時間半。何かあっても、すぐに頼れる人が近くにいない環境です。
子育ては待ってくれません。わが子たちはすでに小学生になっていましたが、それでもまだまだ手はかかる時期でした。
派遣保育士としての契約は、基本的に”3年で一区切り”とされるのが一般的。
もちろん例外もありますし、更新してくれる園もあります。でも、それはこちらから決められることではありません。
声がかからなければ、次の園へ移らなければならないんです。
そうなると、どうしても頭をよぎるのは———あのブラック園の記憶。
「もし、次がまたそんな園だったらどうしよう…」と不安が大きくなりました。
ちなみに、最初に復職した園がどれほどブラックだったかは、こちらの記事の中で赤裸々に書いています。
▶派遣保育士として初めて行った園は、まさかのブラック園!
そんなとき、今の園長先生から「正職、考えてみない?」と声をかけていただいたんです。
正規保育士ができそうな環境として…
・同じくらいの年齢の子どもを育てている保育士ママが多い
・子どもの行事や体調不良での休みが取りやすい
・持ち帰りの仕事は、ほぼゼロ
・急な残業なし。時間きっちりでみんな退勤
・早番・遅番のシフトが事前に出るため、家庭の予定が調整しやすい
今の園ではこれらが整っていたので、”ここでなら大丈夫かもしれない”と思える判断材料になりました。
そしてやっぱり、「もう一度、自分の保育で子どもたちと本気で向き合いたい」という思いが強かったのです。
無理だったと感じたら、またその時に考えればいい。
そう思えたのも、主人と娘たちが「やってみたら?」と背中を押してくれたからです。
私は、もう一度”正規保育士”として働くことに決めました。
自分で選んで”正規保育士”となり変われたこと

正規保育士となり、最初は2歳児クラスに配属でした。職員5人で26人の園児だったと思います。
正職になったからといって、毎日の業務が大きく変わったわけではありません。
ただ、行事の担当が割り当てられたり、係の役割があったりと、仕事はもちろん増えました。
一番の変化は、保護者との関わり方だったように思います。
保護者と直接話す機会が増えたことで、保護者の考えていること、子どもへの対応、園への要望が直接見えました。
そうすると、子どもたちそれぞれへの関わり方も、様々な角度から考えられるようになったのです。
しかし、複数担任ならではのやりづらさは、正規保育士になっても変わらず…。
複数担任のメリット・デメリットについては、こちらの記事で詳しく書いています。
▶複数担任の壁と救い|毎日が天国にも地獄にもなる理由
それでも、リーダーの先生には、自分なりの考えを伝えたり、製作の案をどんどん提案したり。
複数担任のメリットを、最大限生かせるように動いたつもりです。
そうした結果で、子どもたちが育ち、クラス全体の雰囲気の良さにつながると信じて。
派遣保育士の時には、遠慮して言えずにいたことも、しっかりと伝えるようになりました。
先輩だけど、年下の保育士の子にも、アドバイスをしたり提案をしたり。
対等な立場だからこそ言い合える、そんな環境に変化できたことで、また新たな“自分の居場所”を見つけられた気がしました。
派遣から正職へ。私が伝えたい”保育士ママへのエール”

私は、保育の世界から結婚・出産を機に一度離れ、子育てが落ち着いてきたタイミングに派遣保育士という形で復職しました。
しかし、やはりどこか物足りなさを感じ、もう一度正規職員になる道を選びました。
私には、この選択が自分にとっては合っていたのだと思います。
最初から正職になるのではなく、派遣を通して園をみれたことも、よかったと思っています。
同じ園に居続けると、子どもたちの成長を長く見られるという良さもあります。
保育園には0歳から入園し、卒園するまで6年間を過ごす子も多くいますから。
長く関わることで、成長した姿を目にすると色々思い出され、本当に感慨深いです。
だから、また保育士やってみようかな…と思っているママたちへ伝えたい!
無理せず派遣から始めるのも、いいと思います。そして、自分に合った園を見つけてください。
もちろん家庭優先で、派遣保育士としてずっと働くという選択もアリだと思います。
そこで、やれそうかな?と思えたら、正職の道を選べばいいのです。
保育士に復職してから、大変なことも確かに増えました。
でも、私はこの選択をしてよかったと、心から思っています。
もし今、「もう一度保育の現場に戻りたい」と少しでも思っているなら、まずは自分のペースで一歩踏み出してみてください。
子どもたちと向き合うことで、自分の可能性や喜びもきっと広がっていきます。
無理せず、自分らしく。それでも心に”保育が好き”という気持ちがあるなら、いつからでもまた始められますよ。
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