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幼稚園教諭4年&保育士11年”やっぱり保育が好き”と思える軌跡【保育現場のリアル 最終話】

第6話

保育って、子どもを見るだけの仕事じゃない。
むしろ、子どもと関わる「以外」のことの方が大変だったりする。

書類、製作、保護者対応、人間関係、そして賃金の壁。

でも、私も含む保育士たちはそれでも現場に立ち続けている。

なぜか———

それはやっぱり「保育が好き」だから。

この完結編では、そんな私の”保育を続けている理由”を、シリーズを振り返りながら綴っていきます。

\このシリーズの全話まとめページはこちら/

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目次

保育士は「子どもを見る人」じゃない

人間関係

保育士って、「子どもと遊ぶ仕事」だと思われがち。
でも、実際に働いてみると、それ以外の業務のほうが圧倒的に多いのが現実です。

書類業務に追われる日々

年案、月案、日案、家庭への日報に月々のおたよりノート。児童表や要録、行事案にクラス便り・・・。
数年前までは、すべて手書きで仕上げていました。

これを一人担任で抱えるとなると、本当に過酷です。
複数担任なら分担できますが、それでも楽になるとは限りません。

今はICT化が進み、業務軽減が図られていますが、パソコン操作が苦手な人には逆に負担に感じることも。
ましてや、パソコンが1人1台ではない園も多く、「やっと時間ができたのに、使えない…」なんてことも。

効率化されたように見えても、書類作成にかかる時間はやはり大きい。
それでもやらなくてはならない。それが保育士の現実です。

保護者との信頼関係づくり

子どもだけを見ていればいい、というわけにはいきません。
保護者との関係作りも、大事な仕事の一つです。

距離は近すぎるのも、遠すぎるのもダメ。
毎日、気を張りながら”ちょうどいい距離感”を探し続けています。

時には厳しい言葉に傷つくこともあるけれど、ふとした「ありがとう」に救われたこともある
この関係性がうまく築けたとき、子どもを預けることへの安心にも繋がる。子どもだって安心して通うことができる。だから、ひとり一人ときちんと、諦めずに向き合います。

職場の人間関係とチーム連携の難しさ

人間関係で悩む保育士、多いです。
園の空気は入ってみないと本当にわからない。良くも悪くも”色”がある。

悩みを分かち合える仲間ができたら、それは最高です。そして、最強です
笑えることは、倍以上になり、しんどいことは、半分以下になります。

しかし、合わない関係が続いてしまうと、連携がうまくいかなくなり、子どもへの影響もでてしまう
そんな現場に長く居続ける必要はありません。
「ここは違う」と感じたら、離れるのも勇気です
あなたに合う園は、きっとあります。

お給料のリアル

どんなに頑張っても、見合わない。それが今の保育士の給与事情

派遣期間も含め10年以上働いてきた私でも、手取りは18万円前後。
処遇改善費がついても、です。

何十年働いていても、月25万円を超える保育士には、出会ったことがありません。

悲しいですが、これが現実です。



———子どもを見る以外のことが、こんなに多くて、重くて、大変で。
それでも私は、今日も保育の現場に立っています。
なぜかって?
何ににもかえがたいものがあるからです。

それでも保育を辞められない理由

子どもたちと関わること以外の業務に追われ、保護者対応や人間関係に疲れ、給料にがっかりしても———

それでも、私が保育を続ける理由。
それは、やっぱり保育が好きだから。

クマとハート

子どもたちの成長を、だれよりも近くで見られるから

保育園では、子どもたちが1日の大半を過ごします。
なかには、保護者より保育士と過ごす時間の方が長い子も。

そんな中で、
・初めて歩く瞬間
・初めてトイレに成功した瞬間

たくさんの「はじめて」を、いちばん近くで見られるのは保育士の特権です
お母さんよりも、先に見てしまう申し訳なさと…ちょっとの優越感。

また、集団の中での成長は、保育士だからこそ味わえる感動
行事をひとつひとつこなしていくのは本当に大変です。でも行事を終えるたびに、成長を見せてくれる子どもたち。
それを一番近くで見ることができるなんて、最高じゃないでしょうか。

自分の関わりで変わっていく子どもたち

声かけひとつ、関わり方ひとつで、子どもの表情や行動が変わっていく———その影響力の大きさに、いつも身が引き締まります。

私は卒園児に「先生みたいな、幼稚園の先生になりたい」と言われたことがあります。
そして、本当に保育士になった子がいます。

これってすごいことですよね。

私自身も、幼稚園の先生に憧れ、この仕事を選びました。
そして、その私に憧れ、幼稚園の先生になった子がいる。

“私の関わり”が、確実に子どもたちの人生に影響を与えている
責任は重大ですね。だからこそ、やりがいがあるんだと思います。

保育士って、確実に”未来”をつくる仕事です。

子どもの笑顔が、毎日を変えてくれるから

元気がないと、すぐに気づいてくれる子どもたち。
「先生、どうしたの?」———この言葉に、何度救われたことでしょう。

しかし、落ち込んだりへこたれているばかりじゃどうにもなりません。
子どもたちと毎日必死に関わっていると、大変なことも、しんどいことも、忘れます。
いや、子どもの笑顔を見ていると、自分の悩みなんてちっぽけに思えてくるんです。

子どもと一緒に笑える日々が、自分の幸せになる。

…気付いたら、いつも笑っている自分がいることに気付くはずです。

だから私は、諦めずにいる。
でも、ただ”辞めない”んじゃない。
やっぱり、この仕事が———

「すき」なんです。

「やっぱり保育が好き」と言える理由

私にとって保育とは、毎日がちょっとした奇跡の連続なんです。

幸せのクローバー

大変だけど、やっぱり面白い

もう、これに尽きます!

何年やっていても、新年度はめちゃくちゃ大変だし、「あ~なんで去年で辞めなかったかな」と正直思うんです。
でも、一年間子どもたちと過ごすと、毎年達成感でいっぱいなんです!
大変なことよりも、楽しいことばかりが思い出されるんです

同じ年はありません。
だからこそ、やりがいがあるし、面白いんです。

ネタの宝庫、毎日が物語

「今日は、特に何事もなかったな…」

そんな日、1日も経験したことありません!
毎日毎日がネタの宝庫です。私は、今までいくつの物語を体感してきたんだろう。

どの物語も最高で、毎日が笑えて泣ける

同じ1日は、ありません
だからこそ、明日も子どもたちに会いたくなるんです。

誰かの人生の”はじまり”に立ち会う仕事

私はいままで、何人の人生の「はじまり」に立ち会えたのだろう。

人生の中で、そんな経験ができる保育士って、とても貴重な仕事ですよね。
人生の「はじまり」を見せてくれた子どもたちが、自分の元から巣立ち、大きく羽ばたいていく。

それをこの目で見ることができる、感じることができる

同じ「はじまり」は、ありません。
だからこそ、私はこの仕事を誇りに思えるんです。

全国の保育士仲間、そして潜在保育士の皆様へ

幸せな人たち

全国の保育士さん、辛いこともしんどいことも、たくさんありますよね。
でも、それでも、あなたが今でも「保育士」をしているのは、私と同じように感じているからだと思います。

「保育士は、もう無理かな・・」と思っている潜在保育士のみなさん。この記事を読んで「またやってみようかな」と少しでも思ってくれたら、とてもうれしいです。


「子どもたちの未来のために」なんて、言葉があります。
けれど、保育士をしているのは結局は自分のためなんだと、このシリーズを書きながら、改めて思いました。

私が笑いたいから。
私が幸せでいたいから。


だから、頑張れるんだと気づけました。

でも、これだけは確実に言えます。
「あなたの頑張りは、ちゃんと誰かに届いてる。」


どこかで、笑って保育しているたくさんの保育士がいることを思いながら、
私も、明日も笑って保育する。

初めてのシリーズもの。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
これからも“笑う棚ぼた”では、現役の保育士ママとして保育と子育てのリアルを発信していきます!

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この記事を書いた人

高校生と中学生の娘を持つ40代ママ。
幼稚園教諭を経て、今は現役保育士として奮闘中。

子育て中のママ。保育士ママ。
同じように悩めるママたちへ。
保育士だから見える子育て話。子育てと保育のリアル体験談。
子育てはてきと~でも、なんとか育っている娘たちの話。

いつでも笑える"自分"でいたい。
そんなふうにたくさんのママが笑顔になれるエピソードを発信してます。

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