「保育園って、なんでこんなにルール多いの?」
「もう少し柔軟な対応してくれてもいいのに…。」
そう思ったことはありませんか?
でも実は、保育園のルールは保育士がラクをするためのものではありません。
すべては、
・子どもたちが安全に、安心して過ごすため
・パパやママが安心して子どもを預けられるようにするため
に決められているんです。
「どうしてこのルールがあるの?」
そんなママ・パパの素朴な疑問に、現役保育士の私が本音で答えます。
これを読み終えたときには、保育園生活が少しでも、気持ちよく過ごせるようになったらうれしいです。
① 登園時間が9時って…なんで?実はこんな理由があります

保育園は、9時登園のところが多いと思います。
給食を作ることが一番大きな理由です。
9時10分くらいには、園児の数を把握し、給食室に必要数を提出します。
お昼に間に合わせるには、ぎりぎりの時間なのだと思います。
できるだけ、ロスは避けたいので、必要数での調理をしている園が多いはずです。
だからこそ、9時までには出席人数を把握しておきたい。
また、朝の体操や朝の会が始まってしまってからだと、途中参加を嫌がるお子様もいますので、
ほかの子と同じようにスタートしたほうがスムーズです。
保育士からのお願いとしては…
活動が始まってから、遅れてくる子の対応をしていると、ほかの子を待たせることにもなります。
集団生活ですので、時間は守って登園してくださることが望ましいです。
お仕事お休みの日の登園は?
保護者の仕事が休みでも、保育園ではもちろんお子さんをお預かりしています。
しかし、保護者がお休みの時、子どもは察しているものです。泣いて登園を拒む子もいます。
お家で、よく話をしてきてくださるとスムーズです。
・登園はゆっくり、帰りは早めに!
・お迎えが早いと、子どもはとっても嬉しい
なぜなら…「今日はママ早くお迎えくるんだ~」と、いつも以上にがんばれる日になりますよ。
延長利用のお迎えは、仕事終わり直帰で!
「どうせ延長料金かかるし5分過ぎたから、先に買い物して帰ろう。」と思う気持ち、すごくわかります。
わかります!…が、子どもは、ママが迎えにきてくれるのを今か今かと待っています!
——子どもは、
ママが仕事始まる前から保育園に来て、ママの仕事が終わってもまだ保育園にいるんです。
仕事が終わったら、ぜひ一番にお迎えへ!
「今日もお互いがんばったね~!」の時間を、大事にしてほしいです。
保育士と一緒に、ママの帰りを待っていますよ。
土曜保育利用する時は、平日お休みしませんか?
土曜日もお仕事のママ。平日のお休みがきっとあるはずなんです。
土曜保育を利用するのなら、平日一緒にお休みしませんか?
週6日の保育園…頑張りすぎちゃってる子どもがたくさんいます。
「うちの子、保育園にいるほうが楽しいみたいです。」
と、言ってくださるママがいます。
保育士としては、ありがたい言葉ですが、
子どもはやっぱりママやパパと一緒なのが、何よりうれしいことなんです。
意外に子どもと一緒に過ごせる時間は、少ないですよ~。
② 送迎時間・場所・ルール|いろんな制限、どうしてあるの?

「玄関のここから先は入らないでください」
「お迎えは、必ずママかパパで」
…え?なんでそんに厳しいの?
そう思う方も多いと思います。
でも、そこもちゃんと理由があります。
送迎時間を決めているのは…
子どもたちを預かるために保育士の人数を確保しないとならないからです。
また…
・保育室内まで入らない
・送迎の人数を制限している
これらのルールがあるのは、 防犯や安全上からの理由が大きいです。
この観点から、基本的には両親以外の方の送迎を認めていない園も多いと思います。
「○○の友達なんで、迎えにきました~」
と知らない人が急に迎えに来たら、子どもも不安になりますよね。
私たち保育士も、子どもの安全が最優先ですから、“誰が迎えに来るのか”はとても大切なんです。
もちろんご両親から事前にお話が合った場合は、しっかり身元の確認をさせていただいた上で、お渡しすることはできると思います。
でも…できるだけ、ママ・パパがお迎えに来てくれた方が、子どもは何より嬉しくてホッとできますよ。
③ 欠席・遅刻の連絡って、そんなの大事?と思ってませんか?

「今日は仕事休みだし、子どもも一緒に休ませちゃおう。連絡…まあいいか」
そんなふうに思ってしまう日、ありますよね。
でも、園では”何かあったのかな?!”とすごく心配になります。
9時までに連絡がなく、登園されてこない時には、園から連絡を入れています。
なぜなら…
・途中で事故にあったかもしれない
・登園させたはずだと言われたら大問題
保育園では、保護者が園まで直接連れてくれのが一般的ですが、幼稚園はバス利用される方も多いですよね。
園バスから降ろし忘れて…という悲しい事故もありました。
そのような事故を未然に防ぐためにも、担任が人数を把握した時点で、連絡なく出席されていない子どもがいた場合には、連絡をさせていただいています。
だいたいは、「あ~連絡し忘れてました~」が多いんですけどね。(笑)
しかし、この作業も保育士のひと手間となりますので、できればご連絡いただけると助かります!
④ お昼寝布団で関わりを。持ち物は、持ち主を明確に!
お昼寝布団
どんなに涼しく午睡をしていても、子どもたちは汗をかいています。
きれいに洗濯をして、お日様を浴びさせてください。
「毎週のお布団の持ち帰り、正直ちょっと面倒…」
そんな声も聞きます。
でも実は、お布団の出し入れや準備って、子どもとの大切な関わりの時間になるんです。
一緒に布団を整える練習をしたり、敷く練習をしたり…それだけでも立派な生活習慣の学びです。
ずひ、お子さんと楽しみながらやってみてくださいね。
持ち物には記名を!

お願いです!
とくかくすべてのものに記名をしてください!
持ち主探し、地味に大変なんです…
それと、パジャマやタオル、新しいものを持たせたときには、お子さんにきちんと伝えてください。
名前があるから、「これ、○○くんのだよ。」と話しても、代わったことに納得できず「ぼくのじゃない。」という子がいます。
新しいものは、子どもは嬉しいのです。
お家できちんと話してくれると、「せんせ~い!これ、かってもらったの~!」と嬉しそうに見せてくれます。
⑤ 慣らし保育の期間・スケジュールの柔軟さ

「え?うちの子、まだ慣らし保育続くの?」
「もう仕事復帰しなきゃなのに、こんな短期間で大丈夫?」
…そんな不安、ありますよね。
慣らし保育、0歳でお預かりするよりも、2歳でお預かりする時の方が期間が長くなることが多いです。
それは、2歳にもなるとちゃんとわかるからですね。
お母さんと離れなければならない寂しさが、強いんです。
保育士としては、できれば2歳まではお母さんと一緒に過ごし、愛着形成をしっかり行えた方がいいと思います。
けれども、保育園に預けなければならない家庭の事情も、子を持つ親として、理解できます。
保育士は泣かれることには慣れっこですが、ママ達には“子どもがとてつもない感情を我慢し、頑張っていること”を忘れないでいてほしいです。
保育園は、飲まず食わずのお子様をお預かりすることは、できません。
子どもの体調が最優先です。
だから、「いつまで慣らし保育続くの・・」と焦る気持ちもわかるのですが、子どもの気持ちに寄り添い、一緒に乗り越えていけるといいですね。
「ぼくたちは、泣いて訴えながらも、がんばってるんだよ」
そんな小さき勇者たちを、私たち保育士は毎日見守っています。
まとめ
いかがでしたか?
保育園には、子どもたちが安全に、そして安心して過ごせるように、たくさんのルールがあります。
でもその裏には、「先生たちの都合」ではなく、「子どもと保護者を思うからこそ」がちゃんとあります。
初めての集団生活、ママやパパも不安でいっぱいだと思います。
そんな中で、「なるほど、そういう理由があるんだな」と少しでも理解してもらえて、気持ちが軽くなってもらえたら、嬉しいです。
今回は【前編】として、登園時間・送迎ルール・出欠確認・持ち物・慣らし保育までをお話しました。
次回の【後編】では、
・食物アレルギー
・体調管理
・保護者会や行事の意味
・タイムスケジュール
・保育士との伝達・信頼関係
についてお話したいと思います。公開できましたら、こちらにリンクを貼りますので、お楽しみに。
子どもたちと、笑顔になれる日々を楽しんで過ごしてくださいね。
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